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「うちの所長は全然仕事しない。全部従業員にやらせて、自分はハンコ押すだけ。」

 

同業者の集まりなどで、このような会話を聞いたことがある人もいるかもしれない。

 

自分は事務所にはほとんどおらずに、番頭さん(事務所のNo.2)みたいな人に事務所を仕切らせて、出来上がった申告書にハンコを押すだけ・・みたいなことでしょう。
(「ハンコすら押さない」ということも聞いたことがあります。。)

 

わたしの場合、ひとりで事務所を運営しているので、当然に事務所を仕切ってくれるスタッフはいないのですが、仮に誰か雇っていたとしても、怖くて「ハンコ押すだけ」なんて出来そうにありません。(汗)

 

と、いいますか、この手の話題を聞いたときに思うことは、電子申告がこれだけ普及しているので、そもそも「ハンコ押す」という仕事すら無いよね!?ということ。

 

わたしも開業をして3年以上経ちますが、これまでの申告は全て電子申告で行ってきたので「申告書にハンコ押す」ということを、これまでやったことありませんでした。

 

申告書にハンコ押したら、ちょっと感慨深かった

しかし、今回の申告で、とある事情により、1件だけ電子申告ではなく、紙で提出することになり、「申告書にハンコを押す」ということを初めて経験しました。

 

すると、勤務時代の税理士受験生だった頃の記憶が蘇ってきました。

 

仕事以外にも家事や子育てにも忙しく、母の協力を得ながら勉強をしていた税理士受験生時代。

 

勉強は、子どもよりも少し早く起きて。行きの電車の中で。昼休みのカフェで。TAC
の授業が始まる前に。帰りの電車の中で。子どもを寝かしつけた後などに頑張っていました。

 

まだ小さかった子どもは母親が布団にいないと分ると、寂しがり、目を覚まして起きてきました。

 

その度に、勉強の手を止めて子どもの元に走り「ごめんね。」と抱きしめる日々。

 

困りながらも、子どもの温かさや柔らかさに癒やされました。

 

大変な日々ではありましたが、わたしはどうしても試験に合格したかったし、税理士になりたかったです。

 

そして、その時代、電子申告はまだそんなに普及はしておらず、わたしの勤めていた事務所は紙提出が主流でした。

 

法人や個人の申告書を作るのは、好きな仕事で、
たくさん色々な事例にあたって、知識を吸収したかったし、チェックした所長から「完璧。」と褒められると嬉しかった。

 

そんな渾身の力作の申告書には、当たり前なのですが、自分の名前のハンコではなくて、所長のハンコが押される。

 

それを見て、
「いつの日か、わたしも絶対に、申告書にハンコ押すんだ!」
と。

 

あれから、時は流れ、そんなこともすっかり忘れていましたが、先日、初めて申告書にハンコを押してみて、そんな日々のことを懐かしく思い出しました。

 

しばらくの間、まじまじとその申告書に見入る。

 

今さらではありますが、ちょっと感慨深かったです。笑。

 

☆★☆ 編集後記 ☆★☆
昨日にご承認済みの申告書を一斉に電子申告しました。
本日もこつこつと残りの確定申告書の作成を。
神経を張り詰めているせいか夕方少し過呼吸気味に。
ビタミンCでも採ろうとデザートに苺をいただきました。