先日、とあるTV番組で、「オトクな物件紹介します!」みたいなコーナーがやっていました。
その日は関西のとある山奥(?)にある古めの大きな一軒家でした。
木造の一軒家は居住できるだけなく、カフェも経営できるとのこと。
(自宅兼カフェ)
テーブルセットをいくつも置けそうなカフェスペースの他に、パンも焼けるオーブンも備え付けられた広い厨房がついていました。
(自宅用のキッチンも別にありました。)
関西では有名なお笑いタレントさんがその物件を紹介していました。
「こんなノドカなところで、カフェも出来るなんて、ホントに素敵!」
「美味しいパン、毎日沢山焼くわよ~」
と声高々に紹介されています。
それを見た率直な感想は、
『こんな山奥でカフェをしても、簡単にお客さんなんて来ないよ』
『パンを沢山焼いても廃棄在庫になるだけでは・・』
でした。
もちろん、このテレビ番組にケチつけるつもりはありません。
出ているタレントさんも好きなタレントさんです。
ただ、観光地や温泉地でもない山奥でカフェをしても、よほどの特色を打ち出してそれを宣伝し、広く多くの人に知られない限り、わざわざお客さんなんて来ない、というのが率直な意見で、宣伝自体、無理があるとかんじました。
山奥以外の場所でも、飲食店の経営を起動に載せるのは本当に大変なこと。
その物件の元々の持ち主がカフェを経営されてたみたいで、厨房のオーブンやカフェスペースのテーブルや椅子なども、そのまま置いていったとのことでした。
元の持ち主がそこを手放された要因については分りかねますが、「ここでのカフェの営業は厳しい。」と判断されて撤退された可能性も考えられます。
そのような部分については触れられずに、
現地を訪れているタレントさんのみならず、スタジオにいるタレントさん全員も
「自然に囲まれて、コーヒーの良い香りに包まれた素敵なカフェ生活が待ってますね~」
「こんなに広くて、カフェも出来るなんて、なんてオトクなんでしょう!」
口々に物件を褒めておられました。
タレントさんはお仕事で、そう言わざるを得ないのだと思いますが。。
TVでよく見かける有名なタレントさん全員が口々にそんなふうに宣伝すると、本当にそんなふうに思えてしまう錯覚を覚えます。
最後に紹介されたこの物件の値段は2千万円を超えていたので、「じゃあ、買おうか。」と簡単に言えるものではありませんが、このよう誇大宣伝には冷静な判断や注意が必要だと思いました。
誤解を生む宣伝にも注意
地元にあるとある接骨院の受付けの前に、下記のように手書きで大きく書かれた張り紙がありました。
当院の針治療は、医療費控除の対象です。確定申告をするとお金が戻って来ます!
確かにサラリーマンや年金受給者が医療費控除を適用し、確定申告をすればお金が返ってくる(還付金が発生する)場合がありますが、返ってくるのは、源泉徴収された所得税が限度となります。
そもそも源泉徴収された所得税が無い場合や、年末調整で全ての所得税が還付済みの場合などは、医療費控除をしても返ってくるお金なんて無いです。
上記の張り紙だけを見ると、あたかも「医療費が返ってくる」と誤解される人がいるのではないかと危惧しました。
(「お金が戻ってくる」ではなく「税金が戻ってくる」にした方がまだマシなのかと。)
税理士として実際に誤解する人達を何人も見てきています。
以前、税理士会の確定申告の無料相談員のお仕事に従事しました際、
「医療費控除で医療費が戻ってくる」と勘違いされている方々が何人もいらっしゃいました。
それだけ、税金のことは普段、わたし達の生活に馴染みが無く、少し聞きかじった部分だけで判断され、誤解を生みやすい部分があるのだと思いました。
健康保険が適用されない治療は高額になりがちなので、治療院としても、少しでも「オトク感」をアピールするために『医療費控除が適用できる!』を全面にアピールしているのかもしれませんが、こういう表現のしかたは親切ではないと思います。
さいごに・・
わたしたちを取り巻く環境はネット社会を含めて、たくさんの広告宣伝に溢れています。
中には誇大宣伝や誤解を生むような表現のものも含まれているので充分な注意が必要です。
声高に言われているメリット部分だけでなく、デメリット部分にも考えを巡らせるようにしましょう。
宣伝文句に踊らされることなく、冷静に立ち止まり正しい知識を持って判断できるように気を付けたいものです。
☆★☆ 編集後記 ☆★☆
週末は読書(片付けに関する)や『陰地名人』という宅地評価用のソフトを黙々といじっていました。
ジンノさんの相続セミナーにて教えていただいたソフトです。
簡単に想定整形地がとれて便利です。
☆★☆ Run Diary ☆★☆
4/14・・・お休み
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