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こんにちは。

ご訪問ありがとうございます。

本日は、税理士試験の合格発表でしたね。

官報合格をされた方、おめでとうございます。

長い間、様々なご苦労があったと思いますが、
官報で名前を見つけられたお気持ちは格別なお気持ちだったのではないでしょうか。

まずは、試験勉強から解放されるということは、本当にホッとされることだと思います。
長いトンネルを抜けることですから。

わたしも官報合格した時に思ったことは、

「これでようやく、本試験会場で震える手で長い理論を書かなくていいんだ。」
と思ったことです。
(なぜか、最後の2科目の法人税、相続税のあたりから本試験の時だけ
手が震えるようになり、本当に辛かったです。。)

また、官報合格した日の夜、勤務していた事務所のビルを出ると、
中之島公園のバラ園のイルミネーションが一斉に点灯していて、
まるで祝福してくれているようで、あの時の風景はとてもよく覚えています。

 

今回の記事は、まず冒頭に、官報合格された方に祝福の言葉を贈らせていただきましたが、

今回、残念ながら結果が芳しくなかった方々(科目合格を含め)に向けて、
わたしが実際に税理士受験生の時に受験校の講師先生に頼まれて執筆しました
法人税法の合格体験記を紹介させていただきます。

執筆にあたって、講師先生から、
「ダメだった時、落ち込んだ時に、どうやって立ち直ったか」
ということを書いて欲しい、とご依頼があったので、書かせていただいております。

ご参考にしていただけましたら幸いです。

 

法人税法合格体験記(原文ママ)

 

法人税法は、4科目目に選択し、勉強を始めた科目です。税理士試験科目の中で一番にボリュームが多く、最難関と言われる法人税。実務でも役に立つと言われている法人税。どんな科目かな?早く勉強してみたい。と思っていたものの、先に手をつけた簿記、財表、消費税が片付かず、なかなかスタート出来ずにいました。
先の3科目の目途が付き、法人税のテキストを手にしたときは、とても嬉しかったものです。必ず一発合格する!!と意気込んでもいましたし、自分は出来る!!と信じて疑いませんでした。
しかし、結果として法人税の勉強に3年の年月を費やすこととなるのです。なので、私の合格体験記がみなさんにとって、参考になるかどうかは分かりませんが、今、戦っておられるみなさんに私の体験を通してエールを送りたいと思います。

1年目はレギュラーコースを選択しました。先に勉強をしていた消費税で、税法は理論が暗記できなければ話にならないと痛感したので、もちろん法人税も理論をしっかり暗記しようと決めていました。しかし、理論マスターが分厚いだけあり理論の題数が多い・・・。
大丈夫かな?来年の本試験まで間に合うかな?一抹の不安がよぎりました。しかし、やるしかありません。ここでひるんだら税理士になれないのだったら、やるしかない。
その当時は、フルタイムで勤めていた会計事務所を辞め、週3日で別の会計事務所でアルバイトとして働き始めていました。
休みの日は授業を受けたり、トレーニングを繰り返し解くことに時間を費やしました。トレーニングは一度解答しただけでは、なかなか理解できないため、次の授業までに3回は解くようにしていました。そして、毎回のミニテストでは満点を採ることを目標にしました。
一発合格するにはミニテスト1つでも疎かにはできない、という気持ちでした。
月1回の実力テストはなおさらです。成績上位者に名前が載ることを目標にしました。
また個別問題集や総合計算問題集等の市販教材も全て購入し解答を進めてゆきました。
同時に理論暗記も進めていきました。通勤、TAC通学の電車の中、夜寝る前。仕事のお昼休み。ありとあらゆる場面で理論マスターを手にしていたと思います。
自分でもよく頑張っていると思いましたが、理論はやはり題数が多く、一度覚えても、すぐ忘れてしまう。新たな理論暗記に着手すると、元の理論になかなか戻れない。
片や計算もどんどん進んでゆくので、新しい論点の理解と元の論点の維持に苦しみました。
秋が深まり、冬が始まるころには、心身共にほとほと疲れてきました。法人税に引きづられていくようでした。でも、止める訳にはいきません。一発合格の目標も諦めない!!

一年目は、このような感じで最後までいきました。余裕を感じることは全く無かったです。
理論は、初めはCランクも覚えるつもりでしたが、直前期に入り、自分には無理だと悟り、A、B理論に絞って暗記と回転を続けました。それでも、最終的な完成度は自分の思い通りにはいかなかったのです。
計算は計算パターンや個々の論点を簡単にまとめたカード(自己流のシステムカード)を作り、駅から自宅までの10分の道を歩きながら、また夜に布団の中で眠くなるまで見ていました。そんな細切れ時間も惜しいくらいに余裕を失っていました。
いい大人が勉強カード見ながら歩くなんて変?電車の中で理論ぶつぶつ女なんて変?自分でつっこみたくもなりましたが、法人税に一発合格さえすれば報われる、カッコ悪くても構わないと思いました。

しかし、1回目の本試験が終わり、その帰りの電車の中で同じく受験した事務所の同僚と話をしていて自分が理論で致命的なミスをしたかもしれないと青ざめました。そして間もなくでたTACの解答速報を見て、自分の不合格を悟りました。一発合格の目標が無残に砕けた瞬間でした。
落ち込みました。でも落ち込んでばかりはいられません。税理士になるんだったら、ここで諦めたら終わりです。2日ほど元気をなくし、自分を呪い呆然とし、でも3日目には気を取り直しました。

まだ残暑が厳しい中TACに出向き、法人税の年内上級を申し込みました。
年内上級・・・受講する、イコール本試験が出来なかった、ということ。ここで、カッコ悪いと思うところが、自分の小ささだなと痛感します。でも、そんなこと言ってる場合ではありません。カッコ悪くてもいいから、とにかく1年目の知識を年内で風化させたくないし、法人税に合格さえすればいい。そう、私は税理士になりたいのだから。

2年目は理論の回転も1年目ほどは苦労しなくなりました。演習の予告理論以外に、演習とは関係ない理論についても時間を見つけては回転させるようにしました。計算については、トレーニングを1~2回と演習の解き直しのみを行い、市販の問題には手を付けませんでした。しかし勘が働くようになりスピードがてきめんに速くなりました。ここにきてようやく法人税がものになってきた感じでした。
1月からの上級演習でも好成績を維持ことができましたし、直前期に入ってからも成績は常に上位をキープし順調に進んでゆきました。6月に受験した全国公開模試では成績優秀者に名前を載せることもできました。
一発合格は果たせなかったけど、2年目は必ず合格する。でも油断はできない。合格を確実にするためにも、最後まで気を抜かずに理論の完成度を更に高めて、計算問題もスピード、勘が鈍らないように毎日答練を解き直す。直前対策テキストの問題も解き進める。
理論テキストも折をみては広げ、単なる丸暗記とならないよう個々の理論の理解も深めてゆく。
自分が納得できるように仕上げて2年目の本試験を迎えたつもりでした。

しかし、またも本試験で私は私の法人税の未熟さを悟ることとなります。
2回目の法人税の本試験は計算で時間が全く足りなくなってしまいました。理論で考えすぎてしまったのです。そして、時間をかけたはずの理論も結論をミスるという大失態をしでかしました。
ようやく本試験が終わり、開放感に包まれるはずでしたが、全く笑えない私がいました。
多くの答練で成績上位をとれたことも、またそのことで周囲から頂けた賞賛や励ましの言葉ももはや全て過去のものでした。
今回ばかりは3日で立ち直ることは困難でした。8月中を私は無気力で過ごしました。
私は本当に法人税に合格できるのだろうか?いったいどうしたら本試験で合格点が取れるのか?考えても答えは見つかりませんでした。
いっそのこと税理士試験を止めてしまおうか。しかし、ここで止めてしまうとこれまでに合格した3科目までもが全て無駄になってしまう。
それに税理士になる目標も永遠に断たれてしまう。独立開業したいという最終目標も。どうしよう・・・
8月も終盤にさしかかった頃、ようやく気持ちが上向きに回復してきました。止めるわけにはいかない、もう一度だけ頑張ってみよう。
精一杯頑張っても本試験ではコケてしまった。TACの成績に関係なく、本試験の運次第では、不本意な結果に終わる。だったら来年の本試験も運次第では不本意な結果になるかもしれない。怖さは心の中に強烈に染みついていました。
しかし、私はこれまで全力で戦ってきたのだ。不安や体のしんどさに耐えて必死に進んできたし、色々なことを我慢して受験勉強に取り組んできた。それが合格せずに終わるはずがない、という確信が勝ちました。
不安な気持ちを抑え専念続行を決意。

法人税の知識を維持させながら、これまで2番手としてあまり力を入れなかった相続税にも力を入れることにしました。相続税を法人税と同レベルに持っていく。2科目を同時に勝負できるレベルにもっていけば、どちらかでも合格する可能性が出てくるのではないかという期待がありました。そう、数打てば当たる!!
年内は、法人税に関しては理論マスターのみを購入し、回転を続けるようにしました。年明けからは、通信の上級コースを申し込みました。通学したいのは山々でしたが、交通費節約のための選択でした。
演習までにトレーニングを1、2回解き、演習は一人で時間を計って解答しました。理論に関しては依然として予告理論以外にその他の理論も回転させました。
3年目は相続税の理論暗記にかなりの時間を取られたため、法人税の理論に充てる時間は多くありませんでしたが、夜寝る前、車の運転中。ありとあらゆる時間を理論回転に費やしました。車の運転中は運転中に理論をブツブツ唱え、信号待ちの間にマスターで確認するといった感じでした。(これは危険なので、あまりお勧めはできませんが・・・)

直前期も同じような形で進めていきました。法人税に関しては過去2回受験した本試験で理論が答練と同じような問題が出題された為、答練は計算の解き直しプラス、理論に関してもしっかり復習を心がけました。
正直、3年目の直前期は法人税、相続税合わせてかなりの題数の理論を回転させていたので、かなり苦しかったです。全国模試が終わった頃、勉強をする気が全くなくなってしまいました。理論を回転させたくても、計算問題に着手したくてもやる気がおこりません。
それは、1~2週間続きました。焦りだけがつのり、苦しい期間でした。
そんなスランプも乗り越えながら迎えた3回目の本試験。会場はインテックス大阪。去年と同じ本試験会場。なんとしてでも去年のリベンジを果たさなければなりません。

が、試験終了時の感想は、「また、しでかした~!」でした。計算でグループ法人税制がらみの問題を後回しにし、最後に解答を進めていたものの、途中で時間切れとなってしまったのです。しかし、理論の感触はそんなに悪くはない。先に手をつけた適格合併の理論問題は、合併法人の課税関係以外は、丁寧に解答をし、間違いはないはず。冒頭に出た第1問目の理論問題は、これまで見たことはない問題なので、多分ほとんどの人が完答は難しいはず。動揺せず適当な時間で無難にまとめあげました。未学習論点と思われる理論問題は、毎年出題されていて、高得点が稼げなくても合否に影響はない・・・この落ち着きと冷静な判断は3回目だからこそでした。
微妙・・・と思われた出来ではありましたが、後に出た解答速報を確認すると、理論は、第2問目は良いかんじ。第1問にいたっても、半分は正解できてる感じでした。時間切れとなり心配の計算でしたが、手を付けた所は正解が多く、思ったより点数を稼げていました。自己採点は、ボーダーと確実の中間くらい。安心はできないものの初めてボーダー越えすることができました。

そして迎えた12月。ようやく「法人税法 合格H24」を勝ち取ることができたのです。
嬉しかったです。嬉しかったですが、贅沢を言えば、相続税にも合格し、官報合格を果たしたかった・・・!そう、法人税には合格出来ましたが、私は今も皆さんと同じ税理士受験生です。今は相続税の上級クラスで勉強しています。
これまで勉強してきて、そして4科目に合格することができて感じることは、税理士試験は基本が大切だということ。難しい論点、未学習論点は、他の受験生も解ってないので、慌てなくてOK。落ち着いて、手持ちの知識を駆使して、白紙にならない程度に無難にまとめあげる。その代わり、TACで一度学習した論点、基本的な項目は落とさない。
また、税理士試験では、他者に大きな差をつけようと意気込むことは危険です。正解出来なくても影響ないような埋没論点にはまり込む恐れが出てきます。みんなが普通に解答できる論点を自分も普通に解答すればよいのです。普通の論点がどれかを見分けるには、基礎をしっかり理解することで土台が出来上がります。そして、それにははやり日頃の勉強や地道な理論暗記が必要不可欠となってきます。

いよいよ直前期が近づいてきました。残りの期間全力投球しましょう!!そして、皆さんが今年の本試験で「法人税法 合格H25」を勝ち取られますように。
もちろん、私も皆さんに負けないように頑張ります!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

☆★☆ 編集後記 ☆★☆
本日は、同業の税理士の方々とお食事をご一緒させていただきました。
(共通点はひとり税理士&ブログを書いている☆)
始終笑顔が絶えず、とても楽しい素敵な時間を共有させていただきました☆
また機会を見つけて、みなさんで集まれるといいな(*^_^*)