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少し以前に、ステレオガイド下マンモトーム生検という検査を受けました。

 

ステレオガイド下マンモトーム生検とは、乳がんの疑いのある病変がある場合、マンモグラフィーで病変を確認しながらマンモトーム(針)を刺して組織を採取し、良性か悪性かを診断する検査です。

 

しこりとして触れることの出来ない、マンモグラフィーだけで検出できる細かい石灰化病変について検査を行うことが可能です。
(しこりとして触れる場合はまずは針生検や細胞診となる場合が多そう。)

 

まず初めに申しておきますと、私の検査結果は先日説明を受けましたが、良性(悪性所見無し)でした。
(このブログはわたしのクライアントもご覧いただいているので、ご心配をおかけしてはいけませんので、先に記載させていただきます。)

 

今、こちらをご覧いただいている方々は、おそらく乳がん検診に引っかかられて、精密検査としてステレオガイド下マンモトーム生検を受けることになり、色々調べておられ、こちらのページが目にとまられたことと思います。

 

まず、検査自体は局所麻酔もしますし「痛くて我慢できない」というものではありませんでした。
痛みにかなり弱いわたしでも大丈夫でしたよ。

 

今回は検査までの流れについて書いていきます。

 

経緯

わたしの右乳房に石灰化が見つかったのは、2019年5月の乳がん検診の際でした。
「右乳房に淡い石灰化を認めますので、念のためにエコー検査を」と結果報告書に記載がありました。

 

すぐに近隣の病院の乳腺外来を受診し、エコー検査を受けました。

 

担当してくれた医師は「これは….引っかかるやろうな~」と念入りにエコーで診ていましたが、最後は「また1年後に来て下さい。」で終りました。

 

「え?1年後?大丈夫なん!?」と不安に思いましたが、「1年後でOK」と断言するからには「大したことないんや~」「ヨカッタ~~」と胸をなで下ろし、とりあえず忘れることにしました。

 

その時、ちょうど婦人科の方で「左卵巣が腫れている」とも言われていて、そっちで頭がいっぱいいっぱいでもあり、「乳がんなんて冗談じゃないよ。」と….
(卵巣の腫れについては後に子宮筋腫と判明。現在は治癒。)

 

そして、今年に入り「1年後に」との医師との約束通り、乳腺外来を受診しました。

 

しかし、今年の診察は去年とはうって変わり、乳がんの可能性がかなり高いような医師の言動がありました。しかし、石灰化については組織を採取する検査を行うことなく経過観察になるような雰囲気です。

 

転院を決意

諸事情もあり、後日、再び乳腺外来を訪れて転院したい旨、紹介状(診療情報提供書)を書いていただきたい旨を伝えしました。

 

「紹介状を書いて欲しい」ということはなかなか言いにくいことではありますが、もし、万が一乳がんである場合、「ここの病院では手術や治療は出来ない。」と思っていました。

 

がんは治る時代になってきたとはいえ、様々な選択によって自身の予後を左右する大きな病気であることに変わりはありません。

 

自身が納得する医療を受けるためにも、手術や治療を受ける病院は、しっかり決めたいし、命の主導権は自分で握ると決めていました。

 

紹介状はなんとか準備してもらえました。希望している転院先は紹介状が無いと初診受付すら出来ない病院でしたので、ホッとしました。

 

 

転院先での初診

転院先はとても丁寧、患者への配慮もしっかりなされていて安心できる病院でした。

 

例えば、沢山の人がいる待合などで大きな声で名前を呼ばれたり、説明を受けたりするのではなく、ほどよい声のトーンで話してくれたり、また、名前を呼ばれることはなく「○番の患者様~」という風に番号で呼んでもらえました。

 

医師との初診の前に、看護師に個室に呼ばれ「不安に思ってることはないか?」など丁寧にヒアリングしてくれ、こちらの緊張をほぐしてくれました。

 

その後、診察室に呼ばれましたが、対面した医師は肩書きを持っておられる威厳ある先生でした。(注;「偉そう」「横柄」という意味ではありません。)

 

まず、説明が的確で矛盾がない。石灰化の位置についても図で位置を示して説明してくださり、よく分りました。
(前の病院ではふんわりした説明にとどまり、位置についても全く把握出来ていませんでした…)

 

そして、「ステレオガイド下マンモトーム生検をしよう。」と提案いただきました。

 

この時に、石灰化のようなしこりで触れない病変であっても組織を採取して調べる検査があることを初めて知ることができました。

 

「これは悪性の可能性があります。」
「う~ん…でも、まぁ、良性な気もしますけどね。」
「悪性40%、良性60%くらいの確率かな?」

 

沢山の乳がんの患者さんを診てこられた有名な病院の医師に「悪性の可能性は40%」と言われることの重さをかんじました。

 

近年、乳がんに罹患する日本人女性は増加傾向で、今や「10人に1人は乳がんに罹患する時代」だとも言われています。

 

10%もかなりの高率だと思いますが、今のわたしは40%とは…

 

「もし、乳がんだった場合、助かりますでしょうか…?」

 

この質問をしたとたん涙がブワッと溢れた。

 

医師、「悪性度にもよりますが…」と前置きしたうえで、

 

「おそらく悪性の場合は、非浸潤がんだと思われます。非浸潤がんは、転移をしないおとなしいがんです。」
「手術せず、経過観察するという考えもあるくらいです。」
「まずは検査がんばりましょう!」

 

と答えてくれました。

 

前の病院では「そればっかりは分らない。」の一点張りで、不安が募るばかりでしたが、「非浸潤がん」「転移しないおとなしいがん」との新たな情報を得て、すごく安心できました。

 

もしがんでも、「絶対に治す!」「ここの病院で頑張ろう!」と前向きに思えましたし。

 

診察室を出てからは、再び個室に呼ばれて看護師さんから検査の説明や「心配なことはないですか?」などの質問を受けました。

 

「もしがんの場合、手術の入院はどれくらいの期間でしょうか?」
「仕事や家庭との両立が心配」

などの不安に思うことを聞いてもらいました。

 

入院の期間は「乳房温存」「全摘出」「全摘出+同時再建」の術式によって、異なっていました。

 

「仕事と家庭との両立が心配」については、
「先生にも今の心配なお気持ちについて情報を共有させていただき、少しでも安心できるように配慮しますので、大丈夫ですよ。」
「先生に言いにくいことでも、何でも、心配なことは話してくださいね。」
と親身に対応いただきました。

 

検査は、まだまだこれからだし不安は消えないけど、「思い切って転院してよかった。」と思える1日となりました。

 

結果(確定診断)が出るまでは、心の何処かに不安が棲みついたような日々が続きます。

 

ふとした瞬間に涙ぐんだり、夜中にふと目が覚めたり。

 

でも、万が一悪い結果であっても、自分が「頑張れる」「安心できる」と思える医療体制が後ろに控えていることは本当に心強いし、それだけで不安を大きく軽減することができます。

 

「病院選びって大事だな」今回の件で思い知りました。

 

 

実際の検査当日のことについては、次回に続きます。

 

☆★☆ 編集後記 ☆★☆
今回のようなことを経験する度に健康のありがたみを痛いほど感じます。
仕事やプライベートで日頃悩んでいることなど些細なことでした。
当たり前のように手にしている平凡な日々はとても尊いのに
愚かなわたしはすぐにそれを忘れて、些細なことに落ち込んだり、嘆いたり。
平凡な日々のありがたみしっかりを噛みしめたいと思います。