その昔、開業したての頃、「自分の強みはなんだろう?」とあれこれ考えめぐらせていました。
自分の強みをアピールして売り出すためです。
その結果・・・
「な、無い・・?」
「・・・・・。」
「・・・・!!」
しばしの間考えた後、途方に暮れるの巻。
それまで勤務していた事務所では、担当先を任され、会社の月次処理から月次監査、法人や個人の決算業務、給与計算など、いわゆる『税理士事務所のベーシック・ワーク』は一通り経験しておりました。
しかし、それは、「相続税に特化」や「国際税務に特化」など、何かを専門として、その分野では他の税理士より10歩も20歩も先をゆくような業務経験ではありません。
いろいろまんべんなく経験させていただいたのはよかったですが。
開業してからも、何かに特化するというわけではなく、ご依頼いただいたお仕事については、「ちょっと厳しい」と思うもの以外については、色々と取り組んできました。
お役に立てることについては、お引き受けし、全力で頑張ってきたかんじです。
強みに関して、昨年にいただいた意外なお言葉
そのお客様は顧問税理士のご変更を検討されており、ご面談をさせていただく前から、わたしの他にも何人かの税理士と面談及び見積もりを取られている旨お伺しておりました。
そして面談の日、わたしはこともあろうか、名刺を自宅に忘れてきたことに気付きます。
いつもと違うバッグを持ってきてしまったことが原因のひとつでしたが、もはや取りに帰るのは不可能な時間に差し掛かっていました。
自分に対して心の中で大きなため息をつく。
やがて顔を合せたお客さまには、正直に「名刺、忘れました。」とお話をし、丁重にお詫びを申し上げました。
お客様は「こんな税理士さん、はじめて。」と仰いましたが、表情は笑みを浮かべておられ、少しホッとしました。
そして後のお話しで、
「ドアを開けて入ってきたとき、ひどく緊張されてましたね。」
「でもそれがよかったです。」
「他の税理士さんはひょうひょうとされてて、だいたい同じようなかんじですが、全然違っておられてて。」
「それ、すごい強みですよ。」
「名刺を忘れたところも、普通のお母さんみたいでよかった。」
と仰っていただきました。(驚)
確かに、わたしは初対面の方とお会いするときはとても緊張します。
(その時は名刺失念も合わさって、いつもより増して緊張していた)
そしてそれは、自分的には「短所」だと思っていて、精一杯、平静を装っていましたが、「そこが良いところ」だと仰ってくださるお客様もいらっしゃるということです。
実はそのお客様以外にも、言い方は違えど、同じような内容のことを言って頂いたことが何度かありました。
そして今は、ポーカーフェイスはやめて「ありのままでいよう。」「ナチュラルで。」と思うようになりました。
思いがけない部分が強みになるもの
それはその人自身から滲み出るもので、他の人達とは違った独特なもの。
何の努力も必要としない、そんな単純なことが強みになることだってあります。
いまこの記事をご覧いただいているあなたも。
もし、無理をされていたり、演じてる部分があるのであれば、1度それを取っ払ってみてはいかがでしょうか?
☆★☆ 編集後記 ☆★☆
本日はわたしにしては珍しく、2組のお客さまのご対応でした。
午前中は東大阪のお客さま、午後にはオフィスに移動してウェブからお問合せのお客さまのご対応。
写真は地元の駅にて。この時期の電車はマスクはマスト。
初めてのお客さまとお会いする時は、少し前からやはり緊張。
表情、固い。笑。
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