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税理士という仕事をしていると、

「ざっくりでいいから教えてください。」
とか、
「ざっくり幾らくらいになります?」

ということを聞かれることがあります。

 

例えば、期末が近づいて来た顧問のお客様からご質問で

「来月○○を検討してますが、その場合、納税はざっくり幾らくらいになりそうですか?」

など聞かれることです。

 

このようなケースは比較的答えやすい「ざっくり」となります。

 

税務顧問の仕事を通じて、定期的にその会社の数字の動きを確認していますし、期末までにどのような流れで着地しそうなのかもある程度見込めるからです。

 

しかし、中には答えにくい「ざっくり」もあります。

 

例えば、
「うちの相続税、幾らくらいになりそうですかね?ざっくりでいいんで。」
などです。

 

現金預金だけなら、まだ「ざっくり」計算も出来そうですが、そういうケースはまれで、土地等の不動産や非上場株式などが絡んでくると、「ざっくり」は非常に難しい。。

相続税においては、名義預金の有無についても無視出来ないし…。

 

「ざっくり」は「ざっくり」でも、最低限の資料は揃えていただき、ある程度腰を落ち着けて、シミュレーションする必要があるケースです。

 

いくらお客様から「ざっくりでいいんで。」と仰っていただいたところで、それを鵜呑みにして、適当なことは言えません。

 

本当にめっちゃ「ざっくり」であっても、『税理士がそう言ったのだから、きっとそうだろう。』と思われてしまうリスクがあります。

 

後々になって、
「あの時、先生が○○って言ったやーん!」
と言われても困るものです。

 

なので、
「まずは、相続財産をあぶり出していただいて、その上である程度資料を集めていただき、シミュレーションしてみないと、分らないですね。」
とご説明するしかありません。

 

今回は相続税を例に用いましたが、その他の税目でも、詳細が分らないと「ざっくり」すら分らない、というケースは多いです。

 

例えば、スポット相談で
「法人成りした方がいいですか?ざっくり幾らくらい税金トクになりますか?」
とかでも。

 

法人成りした後の、社長の給与を幾らにする等の前提条件でも変わってきますし、社会保険料についても考慮する必要があり、なかなか口頭でサクッと答えれるものではありません。

 

大事なことは「じっくり」相談しよう

「ざっくり」を頼りに、安心して最後まで行くのは、リスクがあります。

 

後々「こんなはずじゃなかった・・」とならないためにも、本当に知りたい事や大事なことは、改めて「じっくり」相談するようにしましょう。

 

無料相談等の場合は、時間が限られるので「ざっくり度」は高くなる傾向に思います。

 

やはり、大事なことは、多少報酬を払ってでも、税理士に時間をかけてもらって、「じっくり」相談されることをおすすめします。

 

☆★☆ 編集後記 ☆★☆
本日はお客様と一緒にe-Taxでした。
出掛ける前に母が作った餅のお汁粉でパワーチャージしました。
(わたしはドロドロよりシルシルが好き)